夢テレパシー

読み: ゆめてれぱしー

カテゴリ: スピリチュアル用語

実験室で夢の一致を測ろうとした試み

夢テレパシーは、夢を通じて離れた人とのあいだに情報が伝わるという考え方で、超心理学が扱ってきた主題の一つです。1960 年代から 1970 年代にかけて、精神科医モンタギュー・ウルマンと心理学者スタンリー・クリップナーは、ニューヨークのマイモニデス医療センターでこの考え方を実験室で確かめようとしました。無作為に選ばれた絵に「送信者」が集中し、別室で REM 睡眠に入っている「受信者」がその内容を夢に取り込むかどうかを調べる手続きです。

受信者は REM 期に起こされて夢を報告し、対象の絵を知らされていない判定者が、夢の記述とその絵の一致度を評価しました。研究チームはいくつかの実験シリーズで統計的に有意な結果が出たと報告し、超心理学の実験としては手続きの整ったものとして注目されました。ただし、報告があったことと現象が実在することは別です。

結果が再現されなかったという事実

マイモニデスの報告は、科学の側で長く論争になりました。支持する側は無作為化や判定者を盲検にする手続きの厳密さを挙げ、批判する側は統計処理の扱い、実験者の期待が結果に混じる可能性、公表されなかった試行の存在を問題にしました。最大の争点は再現性です。

同じ研究チーム以外による追試では一貫した結果が得られず、複数の追試をまとめて検討した報告でも効果はごく小さく、都合のよい結果だけが公表される偏りの影響が疑われています。主流の科学では、テレパシーの存在は実証されたものとして扱われていません。夢テレパシーは、実験で確かめられた現象ではなく、検証が試みられたものの裏づけの得られなかった仮説として位置づけるのが正確です。一方で、この実験の組み立て方そのものは、超心理学の研究に求められる手続きの水準を押し上げました。

実験より前からあった考え方の歴史

夢を通じて遠くの出来事を知るという発想は、実験が始まるはるか前からあります。古代の夢の書物には、離れた土地の出来事を夢で知ったという逸話が収められており、夢に現れたことを共同体で語り合う習慣も各地の民族誌に記録されています。夢を個人の内側だけで完結するものと見ない見方は、新しいものではありません。

フロイトは『夢とテレパシー』(1922 年) で、患者から寄せられたテレパシー的な夢の報告を取り上げています。ただし、そこでテレパシーの実在を認めたわけではなく、その夢がどう組み立てられ、どう報告されたのかを分析する立場をとりました。ユングは共時性 (因果関係ではつながらない、意味のある一致) を論じるなかで超心理学の実験にも触れており、夢の一致という体験を考えるときに参照されることがあります。

同じ夢を見たと感じたときの読み方

ここから先は現象の実在をめぐる議論ではなく、そうした体験をどう読むかという当サイトの立場です。「知り合いと同じ夢を見た」「離れて暮らす人の状況を夢で知った」という体験は珍しくありません。まず押さえておきたいのは、一致した部分だけが記憶に残りやすいこと (確証バイアス) と、同じ出来事や同じ心配を抱えている人同士は似た夢を見やすいことです。前の晩に同じニュースを見た二人が似た夢を報告しても、そこで不思議なことは起きていません。

そのうえで、体験した人にとっての意味は別の話です。誰かと夢がつながったように感じたとき、その夢が向いている先は、たいていその相手との関係そのものです。もっと深く結びつきたいという願い、離れていることへの不安、連絡を取れていない後ろめたさなどが、夢という形で立ち上がってきます。夢の記述と一緒に、その人と最後に会った日や、そのとき言えなかったことを書き出しておくと、夢が何を扱っているのかが見えやすくなります。

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